『母娘監禁・牝』…友人の自殺で心を痛めた少女が、テレクラで出会った男に売春行為を強要されていく様を描いたロマンポルノ作品。
このページでは『母娘監禁・牝』の無料視聴方法を解り易く紹介しています。
あらすじ・見どころ・感想なども紹介していますので、作品の簡単な概要だけ知る事も出来ます。
目次
映画『母娘監禁・牝』の無料視聴方法
母娘監禁・牝を配信しているVODは以下になります。
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TSUTAYA DISCAS | × |
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映画『母娘監禁・牝』あらすじ
親友が自殺するところを目の当たりにした女子高生のチヅルは、遺書を残して家を出る。テレクラで知り合った石川という男を関係を持ち、彼のアパートに転がり込むが、売春を強要されるようになる。さらにチヅルを迎えに来た母・富子も石川の魔の手にかかり…。
映画『母娘監禁・牝』基本情報・キャスト
製作:1987年製作・日本・エロ、レイプ(1987年2月28日)+R18
監督:斉藤水丸(斎藤信幸)
脚本:荒井晴彦
出演者:前川麻子、加藤善博、かがみ愛、梶谷直美、九十九こずえ、下井田育美 他
映画『母娘監禁・牝』見どころ3選!
思春期少女の危うさをリアルに描く傑作ロマンポルノ
本作は実際の事件をもとに書かれた西村望の小説『紡がれて』を映画化したにっかつのロマンポルノ作品。
監督は『人妻暴行マンション』や『スケバンマフィア羞恥』といったロマンポルノを代表する作品を数多く監督した斎藤信幸。(本作では斎藤水丸の名でクレジットされている)
脚本は2019年キネマ旬報邦画ベスト1位に輝いた『火口のふたり』の荒井晴彦。
本作は有名映画作家が非常に重厚なストーリーを語る、単にポルノというジャンルに収まらない奥深い人間描写が魅力的な作品となっています。思春期の少女を襲う漠然とした陰鬱さ。生と死。そして、社会の外側にいるはみ出し者たちの孤独。
時におぞましいほどリアルであり、時にハッとするような美しさを覗かせる本作は、まさに映画的な面白さに満ちていています。
ロマンポルノファンだけでなく、映画ファンなら是非見てほしい作品です!
生々しい生活感
登場人物たちの生活模様がリアルに描写されている点も本作の魅力です。主人公のチズルが出会う男、石川のアパートが本作の主な舞台。そのアパートの生活感が非常に生々しく、より登場人物たちの心に感情移入させていきます。
一枚しかない布団、こたつ、そして空っぽな冷蔵庫など、身近なアイテムを上手く使って、貧困に苦しむ底辺の生活をまざまざと描き出ていく様は実に見事。そのあまりのリアリズムに、深い没入感を感じてしまいます。
クライマックスでは冷蔵庫を上手く使って、凄惨なシーンにさらなる凄みを与えていくとう、映画史に残ると行っても過言ではない冷蔵庫の使い方までやってのけます。画面に映る一つひとつのアイテムに注目していくと本作をさらに楽しめるかもしれません。
生活観のある家でメイドとセックスしまくる↓
前川麻子のアンニュイな魅力
そして本作最大の魅力は、暗い思春期の心の闇を見事に表現した前川麻子の演技力です!
友人の自殺で傷つき、辛い現実からなんとかして逃げようとする主人公のチズル。あどけない表情と、すべてに絶望したかのような物憂げな視線を上手く使い、主人公の複雑な心情を現していく前川の表情づくりはまさに名演でした!
彼女の本作での演技はもちろん評価され、ヨコハマ映画祭最優秀新人賞、おおさか映画祭最優秀新人賞を受賞しています。本作で魅せる彼女の迫真の演技に是非注目してください!
生徒にレイプされる女教師役でエランドール賞新人賞を受賞↓
映画『母娘監禁・牝』予告編
捜索中です!見つけ次第掲載します!
映画『母娘監禁・牝』感想
美しい編集と生々しいリアルな描写
本作のこだわりの描写はどれも圧巻でした!冒頭の美しい浜辺で、海風にそよぐ学生服姿の少女たちが「死んじゃおうか」と笑い合う場面。儚く脆い少女たちが美しく表現されていて、思わず見入ってしまいました。
そして生々しいながらどこか愛おしい生活感あふれる描写も印象的です。壮絶な同棲生活にも時折優しさが垣間見えていくところがすごく良かったですね。
チズルが石川からプレゼントされた服を大切そうに畳む場面や、手料理を振る舞うも塩と砂糖を間違えてしまう場面、コタツの中でイチャつく場面など、とにかく自然であることにこだわった描写が微笑ましかったです。
そしてその自然さは、生活の愛おしさだけでなく、生活に根付いた絶望感に結びついていくのも本作のすごいところ。
母が男たちに侵される場面で、チズルが冷蔵庫に逃げ込む場面はとにかく痛ましくて『ジョーカー』よりも印象的に冷蔵庫というアイテムを上手く使っておりました。
そして本作で最も感心した場面は、サチコが自殺を図る場面。風船が飛ぶ→それをみた子供が「飛んじゃった」→別の子供へとショットが移り変わり、今度は「落ちた、落ちた」というセリフ→サチコがビルから飛び降り、地面に激突して脳髄を撒き散らす。
のどかな風景が一瞬にして、残酷な自殺シーンへと移行していくドライで尖った演出は、とにかくハッとさせられます。
個人的にはジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』で、男が壁当てしていたテニスのボールが、ゾンビのいる場所へ静かに転がっていく、ゾッとさせる名シーンを思い出しました。
このように本作は演出に非常にこだわりがみえる作品です。それ故に“映画を観る”という行為そのものの楽しさを思い出させてくれるような作品だと感じました。
映画好きなら一度は見ておきたい作品なのは間違いないですね!
少女の漠然とした虚無感
本作がアンニュイな雰囲気を終始維持できたのは、間違いなく主演の前川麻子のおかげでしょう!
出で立ちからして本作の役柄にぴったりで、彼女は瞳の奥にはどこか深い闇を感じるんですよね。友人の死に責任感を感じるも、どこか上の空で現実感のない感じといいますか、幼いがゆえに現実を見られないのではなく、現実の醜さを知っているからこそ意図的に見ようとしない達観しているような表情といいますか。
複雑な思春期の少女を、彼女は自然な演技で見事に表現し、グイグイと感情移入させていきます。
しかし暗い雰囲気をまといつつも、あどけなく、優しさのある少女の顔も見せていくところがとっても可愛らしかったですね。その可愛い描写が生活感を強調した演出と上手く噛み合っていて、より彼女を身近に感じられるようになっている点もうまい演出でした。
さらにその彼女の身近な可愛らしさはそのままエロにも直結していきます。生活の中に至極自然にセックスというものが存在しているエロス。前川は当時19歳でその体の若々しさ、というより幼さは本当に高校生のようで、親近感の裏で背徳感も感じさせてくるエロスな魅力に溢れていました。
大人びたようで、幼く、更にエロスをもしっかりと感じさせる彼女はもう画面に映っているだけで見入ってしまいます。
やっぱりアンニュイさをもつ女の子ってオタク心をくすぐりますよね…。
僕もまんまと本作鑑賞後は彼女に恋してしまうのでした…。
映画『母娘監禁・牝』まとめ
有名監督と脚本家が手掛けた奥深い人間描写が見どころの傑作ロマンポルノ。
どの描写も強いこだわりを感じるほどに作り込まれており、登場人物たちの自然な生活模様が作品の没入感を高めています。自然な生活描写は微笑ましさも含みつつ、現実の残酷さも一緒に表現しており、その意味合いの幅広さに驚かされます。
また映画的な編集により、シーンの残酷さが際立っていた点も素晴らしかったです。特に風船自殺シーンは一度見たら忘れられません。
主演の前川麻子の存在感は物凄く、複雑な思春期の少女を微細な表情で巧みに表現していく様は本当に凄い。あどけなさを残しつつも、どこか達観しているような雰囲気に引き込まれました。
人間描写にこだわりつつも、エロスもしっかりと感じさせていく本作。ロマンポルノの凄みを感じられる作品になっているので、はじめてロマンポルノを観るという方にもオススメできる傑作ですよ!
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* 紹介した作品の各VODの配信情報は2023年6月のものになります。